ダリへの道も一歩から

天才と言われている絵画の巨匠は本当に天才なのか?努力によって才能を開花させることはできるのか。

真夜中のアドレナリン

昨夜娘は興奮ぎみで帰ってきた。
戻ってきた時間は10時40分。
いつもよりも声が大きく、瞳をしっかりと開いている。
「アドレナリンがでちゃってるの」
とのたまう。

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どうしたの?と問いかけると、今日の課題がうまくいったこと。プラス明日の課題のエスキースを描いてきたとのこと。

この場合のエスキースは本画を描く前の下書き、構想を練りながら言葉や絵や色で表現するもののこと。

絵を平面に描くのに大事な『構図』『明暗』『形』等をいったんキメテしまうと、修正するのが難しいので、本画を描く前に下書きをして試してみたりする。
えんぴつだけで描く場合もあるが色を使う場合もある。

このエスキースという作業、本画を描く前のウォーミングアップになるらしい。
どう描こうか考えて、うまくいきそうになってくると、描きたくてたまらなくなるらしい。
「あたしこれからもう一枚描けるもん!!」
そう言われて時計を見るともう11時過ぎてるし。
えっと。。そんなに騒がないでくれる?もう真夜中なんですけど。
と言いながらミルクティーで落ち着かせようと試みる。

『描く』事がうまくいった時とそうでなかった時。
娘は表情にしっかりとそれが現れる。
自分の思ったとおりに描けなかったり、思った意図がうまく表現できなかったりすると、半眼になりほとんどしゃべらなくなる
空腹も感じなくなり、ちびちびと水分を摂るくらいしかできなくなってしまう。
放っておくとクッションや上着を抱えて暖房の前で丸くうずくまってしまう。
具合の悪い小動物みたいだ。

逆によく描けた時にはハイテンションになり食欲も旺盛になり、何より目がいつもよりもしっかりと見開かれる。
帰ってくるなり「お腹がすいた。肉が食べたい!!」と騒ぎたてたりする。
今年の冬は近所のファミレスに二人で何度となく出かけている。
もちろん、真夜中に。である。

受験間近になりさすがに『肉食べたい度数』は下がっているようだが、美術系には文字通りの『肉食女子』が多い。
絵を描くのは体力と気力を消耗するので、がっつりと肉を食らいたくなるようだ

受験間近のこの時期、『表現』がうまくいった経験は実技の伴う課題では特に必要だ。

今日よりも明日、明日よりも明後日、とみるみる上達していく時でさえある。

やはりこの上達は自分ひとりではなかなか難しい。
スポーツ選手にトレーナーが必要なように、ひとりひとりの得意なところやそうでない部分を見極めて指導してくださる先生がいなければ、この時期に伸ばしていくことはなかなかできない。

ライバルである同じゴールを目指す仲間がいることも大きな励みになるようだ。
時には仲間に自分の弱点を教えられたり、褒められたりする。

もちろん、停滞期もある。

うまくいかなくてふさぎこんでしまう時。

逆に力みすぎて肩の力が抜けなくなっている時。

先生方や友人に救われることも多々あり、美術予備校に通う価値を再認識する。

正解のない美術の世界では、方向性を示してくれる誰かがそばにいることが、とても大事なのだ。

 

描いた絵を客観的に見てくれる他者からのアドバイスにより、自分の中に色々な見方がたまっていき、それにより表現方法が多彩になる

「それが一定のレベルを超えないと、美大には受からないんだよ。」

と興奮気味に娘が話していた。

そっかぁ。なるほどね。

面白いね。

 

眠い目をこすりながらただうなずいている母であった。

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