ダリへの道も一歩から

天才と言われている絵画の巨匠は本当に天才なのか?努力によって才能を開花させることはできるのか。

カメレオン+封筒で何ができるかな?

ちょっと暖かくなったといっても2月の深夜はまだ寒い。
ストーブの前で温まっていると娘が言った。

「エスキース、見る?」

f:id:hahaja:20190222190851j:plain

最近ピリピリしていることの多い受験生の娘。今日は比較的機嫌がいい。
美術予備校から帰ってきた娘と、毎晩なんとなくおしゃべりをしている。
朝出かける前と、深夜帰ってきた後しか会えないので、娘と過ごせる少ない時間だ。

 

「うん。見る見る~!」

 

こういう時は、ちょっとテンションを上げて言ってみるに限る。
女子高生との貴重なひと時だ。
エスキースとは本格的な絵の下書き、10~30分くらいで本番よりも小さな紙にどんな風に描こうと思っているか試しに描いてみたもののことだ。
持って帰ってきたクロッキー帳を広げてみせる。

 

「ほら。おもしろいでしょー!!」

 

ぱっと開いて描いた絵をみせてくる。

って。

なんか。これ。

グロテスクじゃない?!

目に飛び込んできたのはぎょろっと大きな二つの目玉。
白目が血走っているように見える!
マイケルジャクソンのスリラーの、ミュージックビデオに出てくるようなゾンビの顔をアップで見てしまったのではないか?と思えるような目つきだ。

ちょっと開いて笑っているような歪んだ口元。

 

私の戸惑いに気づかず、娘は嬉しそうに続ける。

「うずまきじゃなくて、うずまけにしたの~!!」

ほらほら。ここ、見てみて。と何やら興奮気味。

よく見てみると、血走ったように見える目の白目にあたる部分にはアルファベットでUZUMAKE(ウズマケ)と描いてある。実物はUZUMAKI(ウズマキ)だから、単語をちょっと変更させて何かを表したいんだな。

あ。これ大きな封筒なんだ。ひもでぐるぐる巻いて封をとめるやつ。

封筒のふた部分の真ん中のタテラインが鼻に見えたんだ。
封の端のところが少しめくれて口みたいに見えるようになってるのか。

 

「カメレオンと合体させたの~!!……面白くない?」

黙り込んでいる私に気づいて覗き込んでくる娘。
18歳の娘は私よりも10cm程背が低い。
小さな子供の用に下から不安そうに見上げられてしまった。

カメレオンと封筒を合体させちゃったからよけいギョロ目っぽくなったのか。

なるほどね~。
面白いね~。とあわててフォローするが、なにやら不満げな様子の娘。
そっか。わかりにくいか。難しいなぁ。となにやらぶつぶつ言っている。

今やっているエスキースは、藝大受験のデッサン練習のため。
白と黒のデッサンで自分の画力とオリジナリティを表現しなければならない。

限られた道具でどれだけ雄弁に自分の世界を語れるか。
見る人を説得できるかに勝負がかかっているのだね。

にほんブログ村 美術ブログ 油彩画へ
にほんブログ村